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vol.1

 
渥美から新世代のサーモンを
提供する


はやし くにやす
林 邦康さん
最新の技術で
日本の養殖業を変えたい!



 しっとりして味わい豊か、肉厚でプリップリの身質が特徴の「渥美プレミアムラスサーモン」を伊川津町で養殖・加工・出荷をしている林邦康さん。実家は福島県で昭和10年から続く老舗のニジマス養魚場だ。


 


 2011年、東日本大震災。直後の原発事故の風評被害をうけ、魚が全く売れなくなった。会社のリスク分散のため「地下海水の水質が良い」新たな養魚場を探した。以前の調査から、御前崎・鹿児島県・伊川津の3か所が候補地にあがっていた。中でも伊川津は、少し前まで鰻養殖をしていた場所で、魚の生育に適した環境だと考えた。

 同時期にノルウェーを訪れた際に出会ったのが、 RASと呼ばれる循環ろ過養殖システムだ。魚が一匹も死んでいない養殖技術に衝撃を受け、日本の養殖業を何とかしなければいけないと思うようになり、日本で初めて導入することを決めた。  こうして、水と機械を手に入れた林さんは2016年に伊川津町に養魚場を構えた。


 


 安定して出荷をすることができるようになったのは5年目頃から。それまでは、導入したノルウェー製のシステムが、湿度など日本の気候の違いによるトラブルが多く苦労したと話す。

  移住して7年。渥美はとても豊かで、日本一の食材の宝庫。よそから来たからこそ良さが分かる。良質な海水で魚介類が美味しく、野菜・肉はこだわりの方法で育てる生産者が多い。その人たちとの交流がアイデアの源。渥美の食材の良さを皆でブランド化して広めたいと考えている。

 林さんの夢は、日本の養殖業を変え、食料の安定供給を目指すこと。日々研究と開発を重ね、サーモンのさらなる品質の追求を行うのと同時に、SDGsの面でも、排泄物は肥料に、二酸化炭素は農作物の光合成に使えないか等、新たな挑戦を続けている。

 




プロフィール

●1974年生まれ 福島県出身 伊川津町在住

●好きな本・作家
●好きな歌手
・『鬼平犯科帳』池波正太郎
・『深夜特急』沢木耕太郎
・西村賢太
・GLAY
・サザンオールスターズ

●好きな言葉
●趣味
燕雀安んぞ鴻鵠の志を知らんや
(小人物は大人物の大きな志をさとることができない)
 旅行、将棋、読書



 


 

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