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vol.7

 
ダキシメルオモイを描く

 こばやし のりあき
小林憲明さん
家族の歴史や記憶も
絵筆にのせて描きこむ。



 「ダキシメルオモイプロジェクト」は、東日本大震災の被災者のために、画家としてできることをしたいと、2012年に始動した。新潟県中越地震のとき故郷に何もできなかった後悔も動機になっているという。これまで各地で展覧会を行っており、十年の節目となった今年、田原市でも展示を行った。
 作品は、家族の記憶や歴史を取材をして、家族の「オモイ」を込めるように描いており、観る人の共感を呼んでいる。





 画家を志したのは15歳の時。中学校美術の教科書でレンブラントの自画像と出合ったのがきっかけだった。「人物の人間性をえぐる」ような描写に強い衝撃をうけ、自分もこんな絵を描きたいと思った。

 美術大学の予備校時代、よく授業を抜け出し、電車の乗客をモデルにして、手帳にエスキース(スケッチ)を描いた。手帳はダンボール5箱分にもなり、その修練は今につながる財産になっている。

 名古屋芸術大学では、油彩だけでなく広く表現を学んだ。卒業後、仕事をしながら制作活動を続ける中で、もっと日常で絵を楽しんでもらえないかという思いが芽生えた。芸術の「種をまく」気持ちで、好きなカエルをモチーフに手軽なポストカードを制作したこともあったが、絵に関心のない人に届けるには「土を耕す」必要があると気付いた。

 結婚を機に家族をテーマに描いた時、モデル家族を介して、関心が広がっていくのを感じたという。奇しくも震災と時期が重なり、プロジェクト始動につながるが、「土を耕す」ことにもつながるのでは、と期待している。





 振り返ると、人のために描きたいと動いたことで、様々な出会いに恵まれ、学ぶ機会も増えた。
 好きな言葉「而今」には、「今、この瞬間を精一杯生きなさい」という意味が込められているという。「今」を大切に、1000家族描くという目標に向かって「オモイ」を届け続けたいと語った。










プロフィール

●1974年新潟県生まれ 田原市古田町在住

●好きな本や音楽
●好きな言葉
『菜根譚』洪自誠
『峠』司馬遼太郎
「looking up」
ミシェル・ペトルチアーニ
而今(道元禅師)

●影響を受けた人
レンブラント・ファン・レイン
安藤忠雄、河井継之助



 


 

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